RAMDiskは今でも効果があるのか?!
今でも自分のメインPCで、定期的にOSをクリーンインストールしているワタクシであるが、その過程で毎回『SoftPerfect RAM Disk』をダウンロードする際、ふと頭に疑問がよぎる。
SSDも大きく進化を遂げてきている。
速度は大差なくても、SSDの寿命を延ばすため・・・と言っても最早効果薄なのではないか?
そんな疑問についてここで考察していく。
結論を先に言えば、大半の人についてRAMDiskは不要であると判断。
目次
1 RAMDiskのメリット
念のため復習を兼ねて、RAMDiskのメリットを挙げる。
- 元がメインメモリなので高速
- SSDの書換制限などを気にする人は気が楽になる
(メモリ上で書換等をするように設定、SSDの書換回数減少) - 揮発性(電源を消すと自然に削除)なので非常にセキュア
速度については言わずもがな、すべての機器の中で最速値を叩き出す。

また、メインメモリを使用するRAMDiskは、揮発性でデータの保持能力が無い代わりに、データの一時的な書き換え用途に特化している。
SSDで不安視される『寿命』には無縁であり、SSDに代わってこのRAMDiskを利用することでSSDの寿命を延ばすことができるのだ。
さらに、先に言ったとおり揮発性であるがゆえ、PCの電源を落とした時に中身のデータが自動的に消去されるので、例えばデータを保存する必要が無い、OSやブラウザの一時ファイルとして、もしくはエクスプローラー的な作業用スペースとして利用する分には、データが不要に溜まることなく消去されていくのでセキュアである。
2 RAMDiskのデメリット
デメリットは特にない。
ソフトウェアについてもスタートアップに登録する必要も無く、PCの起動に負担がかかることもほぼ無い。

強いて言うならば、次のとおり。
- クリーンインストールの度に設定する手間
- 少なくとも2GB位は容量を確保したい
(メインメモリが8GB未満のPCは容量が心許ない) - ソフトウェアをアンインストールする際、設定を元に戻す手間
RAMディスクのデメリットとして、一部ソフトウェアのインストールができなくなるという点が挙げられるのではないでしょうか?
SoftParfectのRAMディスクを使用しておりますが、でMicrosoft Officeのインストールでエラーがでた記憶があります。
ほかにもFinale(楽譜作成ソフト)などの不具合を起こすソフトウェアがありました。
ソフトウェアのインストール(起動)に失敗する問題
http://neareal.net/index.php?IT%2FWindows%2FSoftwareInstallError
「指定されたデバイスまたはファイルを開けません」というエラーが出る場合の対処方法
https://blog.ver001.com/system-cannot-open-device/
3 結論、RAMDiskは不要
「メリットに対して、デメリットはほとんど無いようなモンだし、RAMDiskをインストールすればいいじゃんか!」と思うが、結論としては、PCの環境によってはインストールする必要は無いと考える。
その理由を以下に述べる。
まず、RAMDiskのそのメリットが年々薄くなりつつあるということだ。
先に述べたとおり、メリットは大まかに3点、
- 高速
- SSD延命
- 自然消去
である訳だが、これを昨今の情勢を鑑みて判断した結果である。
それぞれ意見を書き記す。
(1)SSDはもう十分に高速
SATA接続のSSDは、データ転送速度の理論値最大6.0Gbpsに肉薄する値を出せるほどに性能を上げ、さらにはM.2 SSDの誕生により、その速度の限界を突破した。
今現在当方が使用しているADATA製のM.2 SSDの速度を測定したら下画像のとおりだった。

正直、読み書きが1000MB/sを超えると、OSが高速化したという体感を得ることは無いと思う。
OSが進化してどのような媒体でも操作性がスムーズになる工夫が凝らされてきた、もしくは他の仕様上のボトルネックが存在する、といったような理由だろうか。
とまぁSSDの話になってしまったが、RAMDiskを設定して様々な一時ファイルをRAMDisk上に一時保存するように設定しても、SSDとの差を感じにくくなってきている、ということだ。
「ランダムアクセスの速度が大事なのだ!」という声もよく聞くが、やはり体感するには至らない。
そもそも、RAMDiskの読み書き性能が莫大であっても、それほど大きな容量をRAMDiskとして確保することは不可能である。
ちなみに『SoftPerfect RAM Disk』のフリー版(v3.4.8)では、謎のエラーにより4,096MBを超える容量のRAMDiskを作成することができない。
(2)SSDは十分に長寿命
SSDの寿命は、1セルに対する書き込み可能回数が存在するため心配されているところである。
しかし、最近は1TB、2TBといったM.2のSSDが発売されるなど、SSDの大容量化が進んできている。
SSDの寿命の長さは、その本体の容量に比例する。
寿命も長くなってきていると言っても過言でないと考える。
また、他にも、
- ウェアレベリング
- バッファリング(外部RAM)
- オーバープロビジョニング
- トリムコマンドの普及
などなど、SSDを長寿命に使うための工夫も進化を続けているため、寿命についてあまり神経質になることもないと思うわけだ。
(3)RAMDiskの揮発性について
当方のRAMDiskの使用例としては、
- Chromeのキャッシュファイル
- Chromeのダウンロード先フォルダ
- WindowsのTempファイル
- Lhaplusの解凍先デフォルトフォルダ
である。
これらはPCをシャットダウンする際には消えてしまっても良いファイルであり、自然に消去されるRAMDiskと相性が良い。
と思っていたが、当方はそうでなくても定期的にディスクのクリーンアップやはたまたOSのクリーンインストールをしてしまう人間なので、このメリットの恩恵は薄い。
エクスプローラーに『ダウンロードフォルダ』や『ゴミ箱』が用意されているので、これらを活用する方が素直といったものなのかもしれない・・・と考えてしまう時がある。
4 RAMDiskを使った方が良い環境(人)
良くも悪くも”几帳面”すぎる人はRAMDiskなんてモノは不要と感じた。
逆に、
- ディスクのクリーンアップやOSのクリーンインストールなんてしねぇよ!
- 細かいPCの設定をするのは1回きりにしてほしい
といった人は、本当に最初だけソフトウェアのダウンロード、インストール、キャッシュファイルの設定を施し、そのままPCを使い倒していく、といった具合がマッチしていると思う。
もしくは、「少しでも早く動作してほしい」と強く思うベンチマーカー的な方や、
「少しでも良いから寿命伸ばしたい、故障怖い」と思う豆腐メンタルユーザー(ワタクシはコレです笑)は、御守り感覚でRAMDiskをインストールすると良いだろう。
ここで言えることは、RAMDiskは『あった方が絶対良い』といったモノから、自己満足的なモノへと落ち着いたということである。
私もSoftPerfect RAM Disk使ってますが、これほどの速度はでません。
CPUやメモリの性能にも依るんでしょうね。興味深いです。
業務上の縛りでSSDでSQLServerを運用したことがありますが、
4年間運用してCrystalDiskInfoで「SSD Life Left」で「1%」判定を
受けました(「Health Status」は「Bad 1%」です)。
SSDの寿命はまだ無視できないと個人的には思ってますw(一般ユーザの話ではないです)。
風見鶏 さん
コメントありがとうございます。
コチラのPCは
・CPU Corei9 10900T
・メモリ TEAM DDR4 PC4-19200 DDR4 2400MHz 8GB×2
・GPU オンボード
・RamDisk 4GB運用
における測定値です。
そちらのお話も大変興味深いです。
当方の個人的な使用では、(かなりパソコン中毒な使い方をしていますが)ヘルスステータスでBadが出たことはありませんでした。
業務用途を含め、RamDiskはかなりハードな環境でこそ真価を発揮するのかもしれませんね!
こんな記事を書いていますが、ワタクシはまだちゃっかりRamDiskを使っています笑
通りすがりです。
RAMディスクのデメリットとして、一部ソフトウェアのインストールができなくなるという点が挙げられるのではないでしょうか?
SoftParfectのRAMディスクを使用しておりますが、でMicrosoft Officeのインストールでエラーがでた記憶があります。
ほかにもFinale(楽譜作成ソフト)などの不具合を起こすソフトウェアがありました。
ソフトウェアのインストール(起動)に失敗する問題
http://neareal.net/index.php?IT%2FWindows%2FSoftwareInstallError
「指定されたデバイスまたはファイルを開けません」というエラーが出る場合の対処方法
https://blog.ver001.com/system-cannot-open-device/
Taro さん
興味深い情報をありがとうございます。
当方ではRAMDisk設定中に特別なエラーなどは出たことがないのですが、そのような声が上がっているということはRAMDiskが悪影響を及ぼす何らかの可能性があると言えますね・・・
思いつく原因としては、例えばOfficeのような大容量ソフトウェアのインストール時には、大きくTEMPファイルを使用するイメージがあるので、多めの容量のRAMDiskを確保していないとリソース不足のエラーが出るというものです。
それは、システム環境変数の「TEMP」や「TMP」を変更することに付いて回るリスクでしょう。
逆に言えば、RAMDiskをインストールしてもシステム環境変数は変更せず、Chromeのキャッシュファイル運用、ダウンロードファイル保存先としての運用、等に留めておけばRAMDisk由来のエラーは発生しないのではないか?
しかし、そうなるとRAMDisk導入のメリットが半減しますし、そもそもせっかくRAMDisk設定したならば、いろいろ他の設定を変更したくなるのが人情。
ご意見のとおり、デメリットと言えるこの仕様を理解することも、RAMDisk使用の条件になりそうです。
デメリットにTaroさんのコメントを追記してみました。
非常に参考になる情報をありがとうございます!